テント写像(3) 分岐図
テント写像(1) カオス的振る舞い - ken2kent's diaryでは,テント写像のパラメタが2の場合は,初期値によって軌道が様々な周期の値を取ることを示した.
テント写像(2) 不動点 - ken2kent's diaryでは,テント写像のパラメタが0.75の場合は,初期値によらずに軌道が収束することを示した.
パラメタの変化によりその軌道の振る舞いが変化していることが分かる.では,より一般的にパラメタを変化させた際の値xはどうなるのであろうか.ここでは,分岐図を図示することで結果を示す.
[再掲] テント写像:
\[x_{n+1}=\begin{cases} ax_{n} & 0 \leq x_{n} < \frac {1}{2} \\a(1- x_n) & \frac {1}{2}\leq x_{n} \leq 1 \end{cases}\]
具体的には,パラメタaを閉区間[0,2]の範囲*1で変化させた.各パラメタにおいて,様々な初期値を設定した.
解xが不動点に収まる場合は,不動点をプロットした.解xが周期点の場合は,周期点をプロットした.
横軸をパラメータa ,縦軸は不動点もしくは周期点である.
図から以下のことが分かる.
- パラメタaが[0,1)*2の範囲の場合は,初期値によらず必ず不動点0に収束する.
- パラメタaが(1,2)の範囲の場合は,値は収束せず周期点を持つ.
- パラメタaが2の場合,周期点を持つのだが0から1全ての値を取り得る.
この図は,パラメタによって解の性質が分岐するので分岐図と呼ばれる.
また,図中に穴が開いたように見える場所があるがこれを「窓」と呼ぶ.